2014年3月20日木曜日

プロフィール

いまさらですが、僕に関する情報をまとめたページがほしくなったので、ここに作っておきます。
更新があった場合は、このページを更新しようと思います。
(最終更新日: 2018年04月19日)

社会人ブログ: http://kawai-osask.blogspot.jp/
スライド: https://speakerdeck.com/hkawai

facebook: https://www.facebook.com/hidemi.kawai.osask
LinkedIn: http://lnkd.in/b7z3Crj
(これらのSNSでは、名刺交換程度のごあいさつをさせていただいた後の、つながり申請をお願いしています)
(メッセージなどは常時受け付けますが、お返事が遅くなったらすみません)

1975年生まれ
1994年 横浜市立桜丘高校 卒業
1998年 横浜市立大学 文理学部物理課程 卒業
2000年 横浜市立大学大学院修士課程 修了

1994年より OSASK計画 代表 (現職)
2002年 IPA未踏ユース採択(準スーパークリエータとして修了)
2006年 「30日でできる!OS自作入門」著
2009年より 横浜創英短期大学非常勤講師 (2011年まで)
2009年より セキュリティ&プログラミングキャンプ講師 (現職)
2011年より サイボウズ・ラボ株式会社 社員 (現職)
2015年より 一般社団法人「未踏」の理事(現職)
2017年より SecHack365のトレーナー(現職)
2018年 「世界一わかりやすい! プログラミングのしくみ」著(共著)

主なオープンソース作品:
・V98 [FM-TOWNS用PC-9801VXエミュレータ]
・第一世代OSASK [PC用の超軽量型OS]
・第二世代OSASK [x86汎用OS]
・第三世代OSASK [セキュリティ重視VM環境 - Javaみたいなもの]
・「はりぼてOS」 [PC用の学習教材用OS]
・nask [x86用世界最小アセンブラ]
・ASKA [C文法風のアセンブラ]
・blike [C用のグラフィックライブラリ]
・可逆データ圧縮のTek (LZMAの改造版)
・CコンパイラGO (GCCの改造版)
・プログラミング言語Essen(開発中)

2014年3月18日火曜日

サイボウズ本社の紹介

サイボウズってどんな会社ですかと聞かれることがあって、こんな会社ですよと答えたいのですが、これを個別にやっていると手間がもったいないので、ここに僕の個人的な意見や有用そうなリンクを集めておくことにします。

(1)

サイボウズは東証一部上場企業で、ソフトウェアの開発・販売や、クラウドサービスの提供を主たる業務にしています。

どんなソフトウェアを作っているのかというと、会社での事務処理を支援するソフトです。・・・会社で上司から部下へお知らせをしたり、部下が上司に意見を言ったりすることがあると思いますが、それをメールではなくて、社内のIT的な掲示板やメッセージ機能を使ってやったらもっと仕事の効率は良くなるはずだという信念にもとづき、そういうソフトウェアを開発・改良しています。スケジュールの管理もできます。さらに学生やボランティア団体などが無料で使えるサービス「サイボウズLive」も手掛けています。・・・実際、自社で開発したソフトウェアをサイボウズ社内でもフル活用していて、「効率よく仕事ができる」ということを強く実感します。このソフトウェアがもっと広まったら、世の中はよくなると僕はお世辞なしで信じていますし、販売価格も良心的だと思います。きっと余裕で元は取れる(=つまりコスト以上に仕事が効率化できる)でしょう。

僕は他のソフトウェア会社への転職を打診されたことがありますが、そのソフトウェアが世の中をよくするのかというと、そうは思えませんでした。むしろ世の中を悪くするリスクがあると感じました。いや、もちろんユーザがなにもかもちゃんとわかっていて、それでもということで喜んでお金を払うのならまったくいいことなのですが、そうではないお客様も多数いそうな感じで、僕の趣味ではないかなと思いました(=冷静な判断で買いたい気持ちにさせるというよりは、勢いでその気にさせて、数年後に後悔させてしまう感じ・・・)。そもそも僕は「社会貢献のためならお給料が少し安くても構わない派」なのでこんなことを重視するのですが、僕とは違う意見の人もいるでしょうし、それはそれでいいと思います。

(2)

サイボウズは、お金の使い方が僕の好みです。たとえば社名をもっと有名にしたいと考えたとします。有名になれば、製品を知ってもらう機会が増えますし、社員の応募も増えて、よりよい人材を確保しやすくなります。で、有名にするには広告すればいいというのが正攻法でしょう。そしてきっとお金を掛ければそれに見合った知名度は得られるはずです。・・・しかしサイボウズはそのようなやり方をしません。代わりにたとえば初任給を多くします。そうすれば初任給ランキングなどで紹介されて有名になります。これはとてもうまいと思うのです。だって有名になるだけではなくて、従業員もうれしいからです。
http://rank.in.coocan.jp/salary-shoninkyu.html

他のお金の使い方もあります。サイボウズは「サイボウズ式」というメディアも作っています。読めばすぐに分かりますが、これはサイボウズのことをよく見せようというPR記事などではなく、ふつうに面白い記事ばかりです。広告をしたら社名やイメージがみんなの記憶に残るだけですが、こういうやり方なら、日々の生活に役立つ情報を得たり、興味深いインタビューが読めたりするわけです。
http://cybozushiki.cybozu.co.jp/

他にもサイボウズ・ラボユースやベストチーム・オブ・ザ・イヤーなどもやっています。
http://labs.cybozu.co.jp/recruit/youth.html
http://team-work.jp/btoy.html
さらに多数の公共的なイベントや学会にも協賛しています。東日本大震災に対しても合計1億円の寄付を決定して実施しています。

サイボウズは、ただお金を儲けようという会社ではないんだと思います。もちろんお金は大切です、収益を上げていかなければ慈善的な事業なんてできませんし、従業員を雇うこともできません。でもお金を稼ぐことがすべてではないということを分かっているのだと思います。・・・たとえば、先日機会があって取締役の一人と雑談をしたのですが、その人は「会社はちゃんと利益を出して、法人税を納めることも大事な仕事だと思っている」と言っています。もちろん会社の将来のための投資も必要ですし、それを重視している時期もありますが、しかし納税を嫌がって利益を全部投資してしまおう、という発想ではないのです。僕はこの姿勢も好きです。

[註] サイボウズは普通の広告も併用しています。

(3)

サイボウズは社員に優しい会社です。安い給料でこき使って、使い捨てにしよう、なんて雰囲気はまったくありません。社員を信頼して自由にやらせてくれます。それが効率よい仕事につながって、さらに会社は自由度を上げてくれて・・・という好循環になっています。在宅勤務や時短勤務もできます。副業もOKです。独立支援制度も検討したりしています。育児休暇も取りやすい雰囲気です。社内の部活動やお誕生日会に参加して親睦を深めることもできます(もちろん義務ではありません)。社内結婚事例も多いです。社内でのいじめやいやがせなどはありません(少なくとも僕の知る限りでは)。きっとみんな楽しいからそうやってストレスを発散する必要がないんだと思います。ちなみに僕は、CSR部、料理部、野球部(幽霊部員)、SF同好会、に所属しています。

初任給は先述の通り高いですが、その後の伸びはゆっくりなので、バリバリ働いて大金持ちになりたいという人にはあまり向きません。人件費がかかりすぎたら、結局は製品の価格を上げてしまうことにもなるので、僕はやむを得ないというか、これでいいと思っています。・・・尊敬できる人のもとで、誇りの持てる仕事を、気の良い人たちと一緒に、自由に効率よくやっていきたいと思うのなら、とてもお勧めできます。・・・とはいえ、競争倍率が高くて、時期によっては選考に落ちてしまうかもしれません(すみません)。でもそんな場合でも、数年後にスキルアップしてから再度挑戦してみるとか、是非トライしてみてほしいです。それだけの価値はあると僕は思います。

誤解してほしくないのですが、怠けても平気とか、そういう会社ではないです。楽して儲けたいみたいな人は困ります。そういう人が入ってしまうと、会社は社員を自由にできなくなってしまいます。規則をたくさん作って、厳しくしなければいけません。自由を与えられても、ちゃんと仕事ができる人におすすめなのです。そういう人を見極められている人事の人たちはすごいと思います。

社内には超優秀な人がいます。腕の良い開発者、プレゼンがすごくうまくて感動的な人、すごくいい写真を撮ってくる人、おもしろい記事を書く人、などなどなど・・・そういう人たちと楽しく話をして、いろいろ教えてもらえたりするのも僕にとっては魅力です。

(4)

サイボウズには感動課という部署があります。たとえば売り上げが伸びたらうれしいですよね。開発が終わってリリースできたらうれしいですよね。そういう出来事をもっともっと感動的にするための部署です。感動課については以下のページの連載が非常に詳しいです。
http://www.advertimes.com/20131002/article128393/

上記には書かれていないことを僕は書きたいと思います。

先日、僕が入社間もない頃から僕のことを気にかけてくれていた、すてきな元上司が転職してしまいました(すごいお給料アップな条件を提示されたとかで・・・それならしょうがないかな・・・)。そのときに、彼を慕うたくさんの人が集まって送別会をしました。もちろん僕も行きました。そしてそのときに感動課の人が、いろいろな演出をしてとても感動的でした。そう、もうまさに感動的としか言いようがないです。たった一人のために、ここまでやってくれるんだ、なんてすごいんだろうと今でも思います。

また別の日には、社員の結婚式のお祝いの動画を作っていました。これもすごい出来栄えです。こんなふうに、ほんとに信じられないほどの努力をしてくれるのです。これは入社しないと分からないと思います。そして一度体験したら、感動課が巻き起こした感動のおかげで、どれほど会社が元気良くなるか心底わかります。きっとそのうち他の先進的な会社も真似するでしょう。だって効果が絶大ですから。

こんなこともありました。僕は先日、サイボウズの社員で、何年も日本で仕事をしている外国の人と話をして、その人がまだ「うな重」を食べたことがないということを知りました。和食はもはや世界遺産にもなったのに、そしてそんなに長く日本にいるのに、うな重を食べたことがないなんて、そんなのはいけない、僕が一度ご馳走してあげるから食べて食べて!ということになったのですが、悲しいかな、僕はおいしいうなぎ屋さんを知りません。それでどうしようかと思って最初に思い付いたのが「感動課」でした。事情を話したら、僕に代わって上手においしいお店を見つけて、案内までしてくれました。お店では楽しいお話もたくさんしてくれました。・・・なんていうか、こういうときに誰に相談したらいいかを迷わずに済むというのは、素晴らしいことだと僕は思うのです。社内の誰かを喜ばせたいと思ったら、迷わず相談します。業務に関係あってもなくても、とても親身になってくれます。

(5)

サイボウズは創業直後からこんな会社だったわけではありません。ここ数年で現在のようになったそうです。最初のころは、残業だらけで、激務で、大変な職場だったそうです。しかし会社も急成長していて、みんなで夢に向かって進んでいる感じはありました。引き換えに疲れ果てる人もいて、離職率も高かったと聞いています。・・・今は、もっとゆったりと安定した感じです。離職率は非常に低いです。

以前の雰囲気が好きな人もいます。そういう人はみんな他の会社に移ってしまいました。その考え方もわからないではないので、人それぞれだと思います。

ということで、過去のサイボウズの状況を前提にサイボウズのことを書いている人がいるかもしれませんが、そしてそれは僕の紹介とは全然違っていると思いますが、しかしその人の言っていることは正しいし、僕の紹介も間違っているわけではないのです。

(6)

僕はサイボウズの社員ではありません。僕はサイボウズ・ラボの社員です。しかし僕の主要な業務はサイボウズの製品の改良なので、サイボウズ本社にも積極的にかかわっていて、だからサイボウズのこともよく知っています。もしソフトウェア開発者であれば、サイボウズ本社以上にサイボウズ・ラボはお勧めですが、ラボは非常に狭き門で、しかも運がよくないと採用してもらえないので(タイミングの問題)、そういう意味でお勧めしにくいです。僕は運がよくて入れてもらえましたが、入ってから自分の幸運さをかみしめています。

また僕は持株会を通じてサイボウズ株を少し持っています。ですから僕は中立な立場とは言えません。わざとよく見せようとはしていませんが、それでも気になったらすみません。これは公正を期するために書いておきました。

(7)

参考になりそうなリンクを紹介しておきます。

サイボウズの社風・評判の口コミ
http://jobtalk.jp/company/1543_evaluate.html

サイボウズ 人事戦略の秘密まとめ 第3回 サイボウズ超会議へ行ってきました!
http://blog.bot.vc/2014/03/cybozuchokaigi03/
「サイボウズ 人事の歴史」以降のところを読むと、どういう考え方の会社なのか感じられると思います。